瞳へ落ちるよレコード

瞳へ落ちるよレコード

「初めてアルバムを作るみたいな気持ちで、遊びながら楽しんで作りました」と、あいみょんはApple Musicに語る。 前作『おいしいパスタがあると聞いて』から2年、J-Popシーンの最前線を走るあいみょんが発表した4作目のフルアルバム『瞳に落ちるよレコード』。「とにかく今一番聴いてほしい楽曲を詰め込んだアルバム」と語るあいみょんは、今回も自然体で音楽を楽しみ、13曲の印象的な歌を生んだ。彼女は言う。「岡山に行って曲を録ったりしたんですよ。お世話になってるエンジニアさんがいつも岡山から東京に来てくださっているので、今回は逆に私たちが岡山に行っちゃう? みたいな感じで、2曲レコーディングしてきました。まるで学生みたいというか、何でもありな感じで楽しくてウキウキしてました」 楽曲の作り方もさらに自由に、大胆になっている。ソングライティングする上では「特に歌い出しは大事。歌詞の1行目は、インパクトのある言葉を無意識で選んでいるかもしれない」と言う。そのために独自のメソッドを編み出した。「インパクトのある歌い出しなんて考えても思いつかないので、ギターのコードを鳴らしたら何か絶対言わなきゃいけないというルールを自分の中で作りました。ギターがジャンと鳴ったら“あんパン”でも“食パン”でも何でもいいから言葉を出して、それを使って絶対曲を作るっていうルール。最近はそういう作り方ばかりしてます」 『瞳に落ちるよレコード』というユニークなタイトルも、あいみょんのひらめきから生まれた。「人の黒目ってレコード盤っぽいなと思って。瞳にコンタクトを入れるみたいに、瞳にレコードを落として体の中で響いたら面白いなと思います」。ワクワクした瞳でそう語るあいみょんに、以下、いくつかの楽曲を解説してもらおう。 初恋が泣いている ベランダが大好きで、ただそれがきっかけでできた…というのも変だけど(笑)、ベランダを眺めている時にできた曲です。私は生活の中から楽曲ができることが多いので、生活と密着した歌が知らず知らずのうちに多くなってると思います。(コロナ禍で)外出を規制された時期も相変わらず曲を作り続けていられたので、私はやっぱり外から得るものより、自分の生活で得たもので楽曲を作るタイプなんやなって気付かされました。 強くなっちゃったんだ、ブルー 私は大体、ほんまに何も考えてない時に急に思いつきで作詞作曲をし始めるんですけど、この曲は思い浮かんだ一人の女性を俯瞰(ふかん)で見て書いてる感じでした。途中で“ジャックな心”という言葉が出てきた時に、変な言葉をいっぱい入れようという発想に切り替わって、“アングラ”とか“逢瀬”とか、普段生活で使わない言葉を使ってみました。こういう横ノリの楽曲はあまり自分の中から出てこないので、私の中でもかなり貴重な曲です。 3636 実際に好きな人と宅配ボックスで「3636」の暗証番号で物を預け合っていたことがあり、その経験プラス妄想で書きました。このアルバムの中で一番私の生活臭が詰まった曲かもしれないです。今回のアルバムの楽曲はもちろんすべて大好きですけど、中でもこの曲はとにかくみんなに聴いてほしい。歌詞も楽しんでもらえるかなと思います。 神秘の領域へ 若気の至りをテーマにした歌詞なので、演奏もちょっとポンコツに、バカっぽくやってみようと思いました。それで、ギターがすごく上手な真壁陽平さんに「下手くそっぽく弾いてください」というオーダーをしました。私のハモリのコーラスも、あえて音を合わせてないんですよ。数年後に自分で聴いた時に「ああこれ若気の至りやったな、遊び過ぎたな」って思えるような楽曲になればと思って。 インタビュー 合同取材をイメージして書きました。スカスカな拍手に皮肉がいっぱい入ってます。今回のアルバムは最後に「インタビュー」と「愛を知るまでは」を並べて入れたことにすごく意味があるような気がしています。このアルバムの中で、最後の2曲だけちょっと違った一面を持った感じがあります。

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